大学入試センターは2022年11月9日、25年1月実施予定の大学入学共通テストの試作問題を公表しました。新たな学習指導要領が実施されたことを受けたもので、現在の高校1年生から必修化され初出題となる「情報Ⅰ」では、日常生活を題材とし、プログラミングやデータ分析の力を問う問題がメインとなりました。また、試験時間や配点も設定されており、本番を想定した問題の全体像が明らかになったのは今回が初めてです。
情報Ⅰの試験は共通テスト2日目に実施される予定で、配点は100点、試験時間は60分。
同センターが公表した「問題作成方針に関する検討の方向性について」によると、情報Ⅰでは「日常的な事象や社会的な事象と情報との結び付き」「情報と情報技術を活用した問題の発見・解決に向けての探究的な活動の過程」「情報社会と人の関わり」を重視するとあります。
それに伴い試作問題でも、二次元コードなどを度材とした仕組みや知的財産権についての考察、日常的な買い物を想定した釣り銭が少なくなる代金の支払い方など、単なる知識としての問題ではなく、実社会と結びつけた問題が出題されました。
(出典)大学入試センター「令和7年度試験の問題作成の方向性,試作問題等」
なお、同センターは11月10~12日の3日間、大学生約1200人を対象として情報Ⅰを含む大学入学共通テスト試作問題のモニター調査を実施しました。実際に問題を解いてもらい、試作問題の中身や問題量が適切かどうか判断するためで、調査結果を作問に生かすとしています。
試作問題と正解
公表された2025年度「大学入学共通テスト」の試作問題と正解は次の通りです。
「暗記力」から「思考力」へ 小さいころから習慣化を
昨今、単に知識を記憶する力だけではなく、自分の考えや得た知識などを整理する力(論理的思考力)と、自分が考えたことを相手にわかりやすく説明する力(表現力)が、これからの時代に求められると考えられています。
自分の考えや理由について相手にわかりやすく伝える表現力は、言葉を論理的に使う「論理的思考力」を育むことで伸ばしていけると考えられています。そのため、「表現力」を育むうえで、まずは「論理的思考力」を養うことが大切となってきます。
この論理的思考力は、「情報Ⅰ」を履修する高校生の時から取り組むのではなく、小学生など早いうちからプログラミング教育などで身に着け、考え方やその力を日常的に習慣づける必要があります。
そして、論理的思考力が習慣化されることで、普段の生活の中で目にするコトやモノに対し「なぜそう考えるのか」「どうしてそう思ったのか」という視点を持つことにもつながり、結果的に、今後も続くと予測される情報Ⅰの「実社会と結びつけての問題」への対策にもなります。
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