テクノロジーを活用した人材育成支援を行うアフレル(福井市中央)と福井工業大学(福井市学園)は、2022年12月18日、中学1年生から高校3年生を対象にしたAI(人工知能)プログラミングの体験型ワークショップ「ロボ・キャンプ2022」を同大学福井キャンパスにて開催しました。今回のテーマは、「ロボットAIプログラミングを体験しよう!『AIを使う人から創る人へ』」で、レゴブロックを使ったプログラミング教材「SPIKEプライム」を使い、当日は地元の中学生や高校生ら11人が参加しました。さらに、同大学に取材に来ていた吉本興業所属のお笑いトリオ「戦士」の二人も飛び入り参加し、生徒らと一緒にAIについて学びました。
ロボ・キャンプは、未来で活躍する子どもたちに「モノづくりやそこで活用する技術を身近に感じてもらうこと」や「IT業界の仕事を知ってもらうこと」、「プログラミングを通したコミュニケーションを楽しんでもらうこと」を目的としたロボット製作とプログラミングの体験イベントです。
00年に「地域の皆さんに集まってもらえるような場を作り、地元に貢献できるような催しをやりたい」という思いから、システム開発会社の社会貢献活動としてスタート。
06年にアフレルとして独立したタイミングで、このロボ・キャンプを産学連携として取り組むことで、より地域に広げられればと考え、福井という地域で、子どもたちにデジタルに触れる機会を創りたいという共通の想いを持った福井工業大学と話を重ね、共催という形で開催することになりました。今回で23回目になります。
今回のテーマは、「ロボットAIプログラミングを体験しよう!『AIを使う人から創る人へ』」。アフレルのイベント担当者は「これからの時代は、AIを中心とした情報技術を用いた教育が、次世代の子どもたちの創造性や協調性を育み、未来社会の発展につながっていくだけでなく、子どもたちが将来活躍できる人材になるためには、AIを創る『AIプログラミング』を身に付ける必要があると考えています」と説明。
しかしながら、AIプログラミングを取り入れる学校の数は少なく、民間のプログラミング教室も大都会を中心に展開している場合が多く、地方でAIプログラミングを学べる場は少ないのが現状だといいます。
「AIを創るには、プログラミングのスキルだけでなく、グラフ(直線の式)や変数などの数学の知識が必要となります。そこで今回のイベントでは、基礎知識を持った中高生を対象に、レゴロボットを活用した次世代型AI教育の体験型ワークショップを企画しました」(アフレル担当者)
当日は午前と午後の部に分かれ、午前の部では2~4人のグループでAIがどのような場面で使われているかを話し合ったり、ウェブ上で最新の「絵を描くAI」を使用してみたりと、頭と手を動かしながらAIについて学習。さらに、機械学習がどのように動いているかを学ぶために、実際にSPIKEプライムを使いながら仕組みについて考えたほか、ミカンの重さと色の明るさをグラフにプロットしながら、「このミカンは売れるのか」ということを考え、その理由をグループ内で議論したり、「k近傍法」について座学で学んだりしました。
午後からは、プログラミング言語「Python(パイソン)」の基本知識と、自ら体験しながら機械学習アルゴリズムを学習。自作のAIを動かす場面もあり、「実際にロボットが動くことに感動している様子や、うまくいかず悔しそうに思案する様子が印象的でした」(アフレル担当者)
参加した生徒らは座学で学ぶだけではなく、「なぜそうなったのか」をとことん考え、共有することで、新しい発見や気づきを得たようで、ワークショップ終了後のアンケートでは、今後のAI学習について前向きな意見も多く出たとのことです。
イベントを終え、アフレルの担当者は「初めてのAIプログラミングに苦戦しつつも、『なぜそうなったのか』をとことん考え、楽しみながら学ぶ生徒らの姿は、主催者としてとてもうれしいものでした。今回のロボ・キャンプ2022が、これからの未来社会について考えるきっかけとなることを願います」と話しました。
また、福井工業大学の担当者は「同大では、今回のイベント以外にも公開講座や講演会など地域の方々に向けたさまざまな活動を行っております。小学生や中学生の時から大学に来て、『ロボット』や『プログラミング』に触れる機会はあまりないかと思いますので、今後もこういった体験などを通じて、地域の人材育成に貢献していきたい」とイベントを振り返りました。
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