<第3回>ユーチューバーとプログラミングはなぜ?

教育は、「先生」から「子どもたち」へという関係性が確立して初めて成り立ちます。

私たちやその上の世代では、先生は「立場上、偉い」という考えが当たり前で、偉い人の話、年上の話を素直に聞く傾向にありました。


ただ、今の「Z世代」と呼ばれる子どもたちは、こうした「偉い人の話だから聞く」「年上の話だから聞く」というより、「より身近な人の話だから聞く」という風潮にあります。

例えば進路についてや学校での悩みごとがあったとして、先生と両親、どちらに相談するかとなれば、両親に相談する子どもがほとんどです。

こうした関係性の変化については、Z世代の研究所や本でも言いわれています。


そうした中、今の子どもたちにとって身近な人ってほかにどんな人がいるだろうと考えたとき、浮かんだのが「ユーチューバー」でした。

芸能人だとちょっと遠い存在ですが、ユーチューバーだと身近で距離感も近く、またユーチューバーたちも距離を縮めることを得意としている人が多く、「今の子どもたちに合う」と考え、さらに、ユーチューバーは話がうまく、リアクションもうまいので、 教材つくりにもベストだと感じました。


そこで、ユーチューバーの方々に声をかけていく中で、興味を示してくれたのが、人気ユーチューブチャンネル「ゴラクバ!」のいぬたぬきさんでした。彼は東京工業大学出身で、 学習塾の立ち上げやシステムエンジニアの経験もしており、ユーチューブでもマインクラフトの実況をしておりました。

いぬたきさんに実際の教室へ足を運んでもらい、そこで「プログラミングのオリジナル教材を作ってみようと思って、一緒に作ってみませんか?」と投げかけたところ、「いいですね!めちゃくちゃ興味があります!」と話してくれました。

学習塾立ち上げ経験のあるいぬたぬきさんは、教育に対する熱い思いがあり、その思いを聞いていく中で「一緒に全国に普及されるようなプログラミング教育をしていきましょう!」と意気投合し、今に至ります。


いぬたぬきさんに動画解説をしてもらうことで、子どもたちにとって身近な存在であるユーチューバーの話だからこそ耳も傾けやすく、普段ユーチューブを見る感覚で集中してプログラミングが学習でき、かつ内容は本格的な思考法を学べる教材に仕上がりました。


こうしてユーチューバーに参画してもらうことで、今の時代にあった「先生」と「子どもたち」の関係性を築くことができたと考えております。