文字のないキーボード付きタイピングソフト「KIBOT」 パソコンに触れるきっかけに OFFICE COLOFUL

障がいがある就学児童向けに放課後等デイサービスを運営するOFFICE COLOFUL(京都市伏見区)はこのほど、文字を認識するのが困難な発達障がい児童などの利用を想定し、文字のないキーボード付きタイピングソフト「KIBOT(キボット)」を開発しました。また、現在正式販売を前に、クラウドファンディングの仲介サイト「READYFOR(レディーフォー)」で、6月30日まで資金を募っています。

同商品のキーボードにはアルファベットがなく、代わりにカラフルな形のキーキャップが備わっており、色や形の認識ができれば文字が読めなくてもタイピングが可能となっています。また、音に反応しやすく、正解や不正解を明確にわける音や、目に留まりやすいビジュアルデザイン、動作の意味を誤認しにくいキャラクターアニメなど、遊びながら学べるようにと、多くの工夫が施されています。

ほかにも、キーボードはメカニカルキーボードを採用しているため、スムーズな打鍵と耐久性に優れた設計となっています。発達障がいのあるなしにかかわらず、パソコンを初めて触る子どもたちのファーストキーボードとしてもおすすめだといいます。

開発のきっかけとなったのは、小学校などでプログラミングなどのIT学習が進められる中、同社の小倉谷真由美社長が文字が読めなく疎外感を感じる児童を目の前にしたことでした。初めは手元にある通常のキーボードと手袋の先に色と形の違うシールを貼り付けたものから始まり、地元のIT企業に協力を得られたことから、本格的な開発がスタートしました。

商品の開発にあたり、小倉谷社長は「KIBOTは感性が豊かで文字が苦手な小中学生のためにデザインされました。彼らにはそれぞれ特性があり、それを社会の側が受け入れることがスタートです。文字が苦手な子や学習困難な子にとってパソコン操作は苦痛でしかありません。子どもたちのパソコンを操作できる、したい、という当たり前の気持ちに、私たち大人が向き合い支え合いたい」とコメントしました。