【キミイロ vol.1】理工系分野の興味関心、発掘へ 地元小学生を対象に出前授業 ロボギャルズ鹿児島

プログラミングを頑張る女の子にフォーカスを当てた新企画「キミイロ」。今回は、国際的ボランティア団体「Robogals(ロボギャルズ)」のうち、日本で3番目の支部として2017年に鹿児島工業高等専門学校(鹿児島県霧島市)の女子学生らにより発足した「Robogals Kagoshima(ロボギャルズ鹿児島)」の取り組みを紹介します。

ロボギャルズは、工学分野に興味を持つ女子を育てることを目的に、08年にオーストラリアのメルボルン大学の学生が設立した国際的ボランティア団体です。オーストラリアに本部の「Robogals Global」があり、ヨーロッパやアフリカ、北米、アジア太平洋地域など世界中に30を超える支部が設立されています。

ロボギャルズ鹿児島は、技術者を目指す理系女子を増やすことを目的に活動しており、主に小中学生を対象としたワークショップなどを開催しています。発足以来、鹿児島県内のさまざまなイベントに参加しおり、男子・女子を問わず小中学生にロボットのプログラミングなどを教えています。

23年11月には、科学や技術、芸術などを横断的に学ぶ「STEAM教育」の一環として、NEC(東京都港区)と共同で出前授業を開催しました。

同授業は、小中学校の生徒向けに理工系分野への興味関心の発掘と学習への自信を深めさせることを目的としており、また、NECは社会貢献の一環として、AI(人工知能)の活用事例を通して社会のDX(デジタルトランスフォーメーション)について理解してもらうことを目指しています。 当日は、ロボギャルズ鹿児島のメンバーが霧島市立富隈小学校6年の児童117人に対して、テレビのリモコンや目覚まし時計などの身近なものとセンサーやスイッチといった機能を組み合わせてプログラミングすることで仕組みを作成できる教材「MESH」を使い、入力と出力をひもづける演習を実施。一方、NECは「AIを活用した社会のDXと身近な事例」について、児童向けにわかりやすく授業を行いました。

参加した児童からは「プログラミングの楽しさを知れてよかった」「初めてやったが楽しかった、勉強になった」といった声が寄せられました。 今回講師として登壇したロボギャルズ鹿児島の大田早記さん(鹿児島高専3年生)は、「今回はロボギャルズ佐世保の人たちとの交流もあり、メンバーのありがたさを痛感しました。ロボギャルズ鹿児島の仲間や小・中学生の存在はもちろん、今回は佐世保の人たちも欠かせない大切なメンバーでした。そのため、ロボギャルズ鹿児島は私が引っ張っていくのだ、と決意することができました。きっとこれから私自身、新たな学びがあると思います。その学びを大切にしながら私たちも小・中学生にとっての新たな学びを届けていきたいです」と今回の授業を振り返りました。

また、脇田七夏さん(同5年生)は、「私にとって高専生としての最後のワークショップでしたが、とても有意義な時間で、次々とアイデアを出す子どもたちの発想には驚かされました。たくさんの子どもたちの笑顔にふれられ、私もとても達成感を感じました。今回のワークショップで経験したことが、子どもたちにとって何か人生のヒントになることを願っています。今後もロボギャルズ鹿児島の魅力を皆さんに理解してもらい、後輩たちには活動の場を広げていけるような活躍をし、さらに工学の魅力や楽しさを伝え続けてほしいと思います」と思いを語りました。