被災した子どものための居場所 石川県七尾市と珠洲市で開設 子どもの預かり・遊び支援など提供 カタリバ

講演やワークショップを通してプログラミング教育や生成AI(人工知能)について学ぶことができる不登校支援プログラム「room-K」を運営する認定NPO法人カタリバ(東京都杉並区)は4日、1日に発災した「令和6年能登半島地震」で被災した子どものための居場所を石川県七尾市の矢田郷地区コミュニティセンターに開設。5日には同珠洲市内の避難所で過ごす子どものための居場所「高校生とつくるみんなのこども部屋」を開設しました。


同団体は、2011年の東日本大震災や16年の熊本地震、18年の西日本豪雨災害など、災害が起こるたびに現地ニーズを調査し、必要に応じた緊急支援に10年以上取り組んでいます。また、19年からは災害時子ども支援「sonaeru(ソナエル)」プロジェクトチームを立ち上げて活動しており、今回の地震発災後の3日からスタッフが現地入りし、子ども支援のニーズ調査や居場所運営を行っています。

被災した子どもたちは普段と違う生活の中で、さまざまなストレスを抱えてしまうほか、その保護者も家屋の復旧作業や生活の建て直しに手がいっぱいで、子ども自身がつらい気持ちや悩みを我慢して抱え込んでしまうこともあります。また、保護者が自宅の再建や就業の再開について考え、準備する時間を確保することは家族にとって重要である一方、同団体がこれまで支援した被災者の人たちから、「小さな子どものケアをしながら先のことを考えることは難しい」という声が上がっているといいます。

こうしたつらい思いをする子どもたちや家族の負担を少しでも減らせられるよう、現地で行える支援として「子どもの居場所」を開設。

七尾市で開設した居場所では、センター内にある図書室の一角を活用し、4~18歳を対象に、午前9時から午後5時までの間、子どもの預かりや居場所支援、学習支援などを提供しています。

また、被害規模の大きい珠洲市で800人以上の人たちが過ごす避難所では、避難している高校生たちとともに子どもの居場所づくりを開始。同市で子どもの居場所運営を行うNPO法人ガクソーと連携し、避難している0歳から中学生までを対象に、午前9時半から午後4時までの間、子どもの預かりや居場所支援、遊び支援を行っています。

いずれの居場所も終了時期は未定。現地の状況により、開催時間や内容が変更になる可能性があります。